溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
すると彼は「澪って、天然?」と、カタカタと体を揺らして笑う。


「そんなに笑わないでくださいよ」


と言いつつ、私も噴き出してしまった。

ロマンティックな夜景を楽しんで、再び部屋に入ると、彼は電気をつけてくれる。


「広いっ……」


さつきは暗くてわからなかったが、リビングはおそらく五十畳くらいはあるはずだ。広すぎて落ち着かない。

がっ、ちょっと散らかり気味だった。

大きな黒いソファには脱ぎ捨てられたTシャツとハーフパンツ。
ローテーブルにはクシャッとなった新聞。
ガラス製の大きなダイニングテーブルの上はコーヒーカップが置かれたままになっているし、部屋の片隅にあるゴミ箱は今にもあふれそうだ。


「大成さん、もしかして片付け苦手ですか?」

「あはは」


私が指摘すると、彼はバツの悪そうな顔をする。


「こういうのはその時々でしていかないと、どんどん面倒になるんですよ。洗濯機に入れてきます」
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