溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
私は脱ぎ捨てられていたTシャツを手に、洗濯機へと向かった。


「やっぱり……」


想像していた通り、洗濯物があふれている。


「大成さん、洗濯しますよ」

「うん。頼む」


私が呼びかけると、そう返事が返ってきた。
片付いてないと落ち着かないのは、もはや職業病かもしれない。


洗濯機は最新のドラム型。
しかも大きい。
こんなに立派な家電があるのに、肝心の持ち主が回さなければ役立たずだ。

Tシャツを放り込んでスイッチを押し、再びリビングに戻った。


「ちょっと片付けてもいいですか?」

「あー、ごめん。忙しくてって言い訳だな」


散らかってはいるが、掃除機はかけてあるような……。


「キッチン、お借りしますね」


私はコーヒーカップを持っていき、洗い始める。


「助かる」


すると彼は開いて置きっぱなしになっていた新聞や雑誌を片付け、私の隣にやってきた。
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