溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
私は大成さんの顔を思い浮かべて言った。


「そうですかね」

「うん。ほら、頑張るわよ」


私は彼女を急かして一緒にベッドメイキングを済ませ、次の部屋に向かった。

ギリギリだったものの、なんとかチェックインの時間までに、担当の部屋の掃除を終えることができた。


「はぁ、疲れた」


休憩室に行くと、百花がため息をついている。


「お疲れ、百花」

「澪はいつも涼しい顔だね」

「そんなことないよ。ヘトヘト」


一度座ってしまうと、もう立ち上がりたくないくらい疲れる。

時計は十五時半を差そうとしている。
昼に三十分休憩を許可されているものの、時間内に清掃を終わらせなければならない私たちは、余程稼働率が低いときでないと昼休憩をとることができない。
いつもこの時間までぶっ通しで働いている。


「ご飯、食べよか」

「うん。でも今日お弁当ないの」
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