☆stay with me☆
あたしは授業中全然集中出来ずにいた


国語の授業で順番に生徒が朗読する


さっきまで誰かの声がしていたのに
ぱったりと止んでいる。


周りから視線を感じる



ーーーーえ?





「にぃな!にぃなの番だよ!」



小声で隣の席の子が教えてくれる



「あ!」


あたしは慌てて立ち上がる


とりあえず教科書を手に持つものの
どこを読んでいいのかわからない



「えっと…すみません、
どこを読めばいいですか?」



「聞いてなかったの?」



「ごめんなさい…」



「廊下に立ってなさい」



「はぃ……」



あたしが教室のドアを
開けようとした時だった



「先生、にぃな体調悪いんだって」



その声はあたしも聞き慣れた声で。



「本当なの?もっと早く言いなさい
大丈夫?保健室行って来なさい」



「はい…」



「井上(星也の苗字)くん、
保健室ついて行ってあげて」



「はぃ」


星也はあたしに近づいて来て
教室のドアを開け
あたしの腕を引っ張る







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