Want*You








格好いいのはもちろんで一枚上手で優しくて……



そんな君の素顔を見せて…────────





【Want*You】





「多城さん、よかったらオレと付き合わない?」




生まれてこの方17年。


告白されたこともなければ付き合ったこともない私。



何がいけないのか。

そうか顔か。

いやスタイルも、か。


そう思ってメイクも頑張って、体重もどうにか落として。


それでも彼氏の影すら見えない神様が仕組んだとしか言えない悪戯な運命も。


この日のためだと思えば今までの17年間が意味のあるものに思えた。



それくらい私は舞い上がっていた。




「……あ、あたしなんかでよかったら……!!
お願いしますっ……!!」





そんなに勢いつけたら背筋を痛めるんじゃないかというスピードで一礼。



なんせ告白してくれた相手は校内一飛び抜けて容姿の整った佐久間怜くんだ。



校内の女の子の誰もが欲しいと思っていた彼女という座を……



人生で初めて付き合う私が……


むしろ相手から告白してくれるだなんて、まさに棚からぼた餅。


密かに想いを寄せてはいたものの、叶うはずないかと勝手に諦めていた。





「本当?
良かったぁ……っ」




ホッとしたように目尻を下げて笑う佐久間くん。


大人っぽい見た目に反する子犬のような愛くるしい笑顔に心臓はいくつあっても足りない。


むしろ輸血してほしいくらいだ。



鼻血なんか出ていないだろうかとチェックした後、でもどうして私なのだろうかと冷静に疑問がわいてきた。

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