日向 HIMUKA
ミカは、うつむいたまま小さくうなずいた。
誕生日や、クリスマスのプレゼントなんて、
無条件に、当たり前に、
どこの家の子でももらえるもんだと思ってた。
ぼくは、
昨日のミカの異様なはしゃぎぶりを思い出した。
だからあんなにうれしそうだったんだ。
小さい子供みたいに
無邪気に喜んでた昨日のミカを思い出して、
ちくんと胸が痛くなった。
広くてきれいな部屋が、急に冷たい感じに見える。
引っ越してきたばかりの頃のぼくの家と、
どこか同じ匂いがした。
「誕生日っていつなの?」
ぼくだって知らなかったミカの誕生日。
それが何だかうしろめたい。
「十二月二十五日。クリスマスよ。
ロマンチックでしょ」
「すごいっ」
とぼくは、反射的に思ってしまう。
正月とクリスマスと誕生日が、
そんな短い間にいっぺんに来るなんて!
ぼくだったら飛び上がって喜ぶに違いない。
だってプレゼントが一度に二つももらえるなんて、
そうあることじゃないから。
でもぼくはすぐに思い出した。ミカにはそうじゃないんだ。
ミカは、さえない表情を浮かべて目をふせた。
誕生日や、クリスマスのプレゼントなんて、
無条件に、当たり前に、
どこの家の子でももらえるもんだと思ってた。
ぼくは、
昨日のミカの異様なはしゃぎぶりを思い出した。
だからあんなにうれしそうだったんだ。
小さい子供みたいに
無邪気に喜んでた昨日のミカを思い出して、
ちくんと胸が痛くなった。
広くてきれいな部屋が、急に冷たい感じに見える。
引っ越してきたばかりの頃のぼくの家と、
どこか同じ匂いがした。
「誕生日っていつなの?」
ぼくだって知らなかったミカの誕生日。
それが何だかうしろめたい。
「十二月二十五日。クリスマスよ。
ロマンチックでしょ」
「すごいっ」
とぼくは、反射的に思ってしまう。
正月とクリスマスと誕生日が、
そんな短い間にいっぺんに来るなんて!
ぼくだったら飛び上がって喜ぶに違いない。
だってプレゼントが一度に二つももらえるなんて、
そうあることじゃないから。
でもぼくはすぐに思い出した。ミカにはそうじゃないんだ。
ミカは、さえない表情を浮かべて目をふせた。