日向 HIMUKA
これには、反論できなかった。
幽霊に足がないというのは、
日本では定説みたいなものだ。
「それに……」
今度は、怯えるように身を縮めてミカが言う。
「その人の向こうにいつも川が見えるの。
あれはきっと三途の川だわ。
テレビの臨死体験なんかでよく言うじゃない。
川を渡ろうとしたときに振り返ったら生き返ったって。
そのうち私もあの川の向こうへ連れて行かれるんだわ」
まるで、今そこにその川が見えているように、
ミカの瞳は宙を彷徨い、
急に寒気に襲われでもしたかのように、
細い肩を、自分の手の平でおさえこんだ。
今やミカは本気で怯えていた。
冗談や、ちゃちゃを入れる雰囲気ではない。
それに少し赤くなってた目が、
わずかにうるんできたような気もする。
かなり、やばい。
女の子に泣かれたら
どうしていいのかわからないじゃないか。
それも、
そんなしおらしい姿が
まるで想像もつかないミカとなったらなおさらだ。
幽霊に足がないというのは、
日本では定説みたいなものだ。
「それに……」
今度は、怯えるように身を縮めてミカが言う。
「その人の向こうにいつも川が見えるの。
あれはきっと三途の川だわ。
テレビの臨死体験なんかでよく言うじゃない。
川を渡ろうとしたときに振り返ったら生き返ったって。
そのうち私もあの川の向こうへ連れて行かれるんだわ」
まるで、今そこにその川が見えているように、
ミカの瞳は宙を彷徨い、
急に寒気に襲われでもしたかのように、
細い肩を、自分の手の平でおさえこんだ。
今やミカは本気で怯えていた。
冗談や、ちゃちゃを入れる雰囲気ではない。
それに少し赤くなってた目が、
わずかにうるんできたような気もする。
かなり、やばい。
女の子に泣かれたら
どうしていいのかわからないじゃないか。
それも、
そんなしおらしい姿が
まるで想像もつかないミカとなったらなおさらだ。