日向 HIMUKA
さらに大きくなったすすり泣きは、
すぐ後ろから聞こえてきた。

ぼくは覚悟を決めた。

さっきプリンに脅かされたことで、
多少度胸がついてたのかも知れない。

ぼくの後ろには、壁とベッドがあるだけ。
そう、それだけだ。

大丈夫。
他には何もいやしない、いくぞ。

一、二、三、それ!

ぼくは勢いをつけてふりむいた。

そして、イスからずり落ちそうになった。

そこには、
座敷わらしみたいにちんまりと
正座をしたピエロがいたんだ。

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