日向 HIMUKA
ぼくは、正直に答えた。
日向が、やれやれ、と言わんばかりの顔をする。
本当なんだから仕方ないじゃないか。
「まるで本当にそこにいるように
はっきりと人と話す夢、握手したてのぬくもりや、
感触までがはっきりとわかるような夢などは、
霊界へ行っている場合が多いんじゃ」
「それって臨死体験ってこと?」
「生死の境を彷徨っての場合とは必ずとも一致はせんが、
似たようなものかも知れんな」
どうもよくわからない。
「じゃあ、健康な人でも
魂があの世へ行ったまま帰ってこれなくなることもあるの?
ミカが心配しているみたいに」
日向は、きっぱりと言いきった。
「人の魂は、
霊子線と呼ばれる銀色の糸で肉体とつながっておる。
これが切れないかぎり肉体と切り離されることはない。
つまり、この霊子線が切れた瞬間が、
本格的な死の瞬間ということになるのだが、
通常これが切れるのは、
心臓停止から二十四時間前後と言われておるから、
健康な人間の霊子線がいきなり切れるということは、
まず考えられんな」
ぼくは、とくに気にもとめずに聞いていた
ミカの言葉を思い出した。
糸を頼りに逃げてくる、
確かそう言ってた。
「やはりな」
「じゃぁ、やっぱりミカは霊界に?」
「そういことになるな」
日向が、やれやれ、と言わんばかりの顔をする。
本当なんだから仕方ないじゃないか。
「まるで本当にそこにいるように
はっきりと人と話す夢、握手したてのぬくもりや、
感触までがはっきりとわかるような夢などは、
霊界へ行っている場合が多いんじゃ」
「それって臨死体験ってこと?」
「生死の境を彷徨っての場合とは必ずとも一致はせんが、
似たようなものかも知れんな」
どうもよくわからない。
「じゃあ、健康な人でも
魂があの世へ行ったまま帰ってこれなくなることもあるの?
ミカが心配しているみたいに」
日向は、きっぱりと言いきった。
「人の魂は、
霊子線と呼ばれる銀色の糸で肉体とつながっておる。
これが切れないかぎり肉体と切り離されることはない。
つまり、この霊子線が切れた瞬間が、
本格的な死の瞬間ということになるのだが、
通常これが切れるのは、
心臓停止から二十四時間前後と言われておるから、
健康な人間の霊子線がいきなり切れるということは、
まず考えられんな」
ぼくは、とくに気にもとめずに聞いていた
ミカの言葉を思い出した。
糸を頼りに逃げてくる、
確かそう言ってた。
「やはりな」
「じゃぁ、やっぱりミカは霊界に?」
「そういことになるな」