日向 HIMUKA
「おかしいな」

背伸びをして奥をのぞくと、
何かがクシャクシャになって
つっこまれているみたいだった。

それを横へよけようと手をのばす。

これだな。

ゴム手袋か何かのような感触があった。

それを邪魔にならない程度に
よけようとしたけど、
それがおさまるスペースがどこにもなかった。

仕方なく、
いったん外へ取り出してから置き直そうと引っ張り出した時、
ぼくは、手につかんだ物をみて愕然とした。

これは……

あの幽霊が被っていたピエロのマスクだった。

何でこれがこんなとこにあるんだ?

その時、
すぐ後ろで誰かの気配を感じだ。

あの夜、ピエロが現れたときと同じ感じ。

ぼくは、思わず息をひそめ、相手が何が言うのを待った。

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