日向 HIMUKA
「まぁまぁ」

驚愕するおばさんを落ち着かせるように、
手をふる。

「相変わらず気が短いねぁ」

「その声」

ピエロ男が、
はは、とくぐもった声で笑った。

そして、
年老いた手で被り物を脱いだ。

それを見た瞬間、
おばさんは、へなへなとその場に座り込み、
声にならないつぶやきをもらした。

「お父さん……」

 そして、
自分の言葉を打ち消すように首をふり、
一人言のように何度も繰り返した。

「そんなバカな……そんな……信じられない」

惚けたように
同じ言葉をつぶやくおばさんを横に、
プリンだけがその再会を喜ぶかのように、
いつまでも喉を鳴らしていた。

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