日向 HIMUKA
ずれた絆
(十三) ずれた絆

マスクの下から現れたのは、
目じりに小さなしわをいっぱい刻んだ
おじいちゃんだった。

笑うと優しげなまなざし。
ミカを見る愛情のこもった目。

「ミカのおじいちゃんですね!」

ぼくが思わず大声を出すと、
おじいちゃんは、何度も何度もうなずいた。

「あ、あの、ごめんなさい!」

知らなかったこととはいえ、
かなり無礼な言葉を吐いたぼくは、
何度も頭を下げた。

おじいちゃんは、
そんなぼくに、
ほっとするようなまなざしを向けてくれた。

「いいんですよ。驚かせてしまって悪かったねぇ」

本当に優しそうなおじいちゃんだった。

ミカが大好きだったのがよくわかる。
そして、
そのおじいちゃんがいなくなった悲しみが、
ミカにとっていかに大きかったかも。

ぼくは、おずおずと聞いてみた。

「あの……本当に死神なんですか?」

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