日向 HIMUKA
おじいちゃんは、
子供みたいに泣きじゃくってたことを思い出して
恥ずかしくなったのか、
頭をかいて肩をすくめた。

心なしか
顔が少し赤くなっているような気がする。

その時急に、
唖然としたまま事態を見守っていたおばさんが、
我にかえったように
ぼくたちの会話に、割って入ってきた。

「今ごろ何しに出てきたの?
供養ならちゃんとしてるでしょ!」

混乱しながらも、
とげのある物言いは復活していた。

ぼくは正直、むっと来た。

日向も同様の顔をしていた。

おじいちゃんは、
急に厳しさのこもった目をして言った。

「心配せんでもあたしはちゃんと成仏してるよ。
そんなものを要求するために出てきたんじゃあない。
あたしは、ミカに呼ばれて出てきたんだよ」

「そういうことか」 

そんなことあるわけないと言わんばかりの顔で、
おばさんは、おじいちゃんをにらみつけ、
その横で、日向が物知り顔でうなずいた。

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