日向 HIMUKA
でも……何かが違うとぼくは思った。
何が違うのか、
どう言葉で言えばいいのかわからない。

でも、
おばさんの言葉は、
今ミカが聞いたら、
きっと泣きながら家を飛び出しただろうと思った。

おばさんは間違ってる。

「おばさん」

さっきまで緊張でかちかちだったぼくは、
日向に触発されたのか、
つい無意識に口走っていた。

思い出したから。

親子三人で歩いていた
あの日のミカのきらきらした目を。

< 74 / 85 >

この作品をシェア

pagetop