学校恋愛ダメ、ゼッタイ。
「なるみさん!これで僕達の夢である『学校恋愛全面禁止』に一歩近付きましたね!」



私は人差し指をちっちっち、と速いテンポのメトロノームの様に振った。



「あなたは二つ間違えている。一つ、同好会が正式に認められた以上、私は会長。これからはそう呼びなさい。将軍様も可。一つ、夢というのは叶うかどうかわからない物。私達がやろうとしてるのは達成しなければいけない物。つまり使命よ。わかったら返事」



『イェッサー!!』



皆、一斉に敬礼をした。統率は取れているようだ。



これも指導の賜物。放課後に毎日ミーティングを開いておいてよかった。毎回、皆をパシリに使うだけだったが。



「よし!ではまずは部室の確保よ。部室は自分達で用意しないといけない決まりだからね」



「一体、どうすれば……」



半沢の一言で一気に私語が溢れ出した。私は皆を黙らせて、自分に注目させる。



「そこは抜かりない。作戦を立てておいた」



『作戦……?』



皆の顔が困惑と興味が混ざった表情になる。



さすがだ。そういう表情もブサイク。



「いいか?お前らには全員で校内一周走ってから手芸部に行ってもらう」



皆の顔を見渡す。まだこちらの意図する所はわかっていないらしい。


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