降りやまない雪は、君の心に似てる。
暫くして、漆黒の空にライトが浮かび上がった。
凍った池の水面を映し出して、周りには雪で白くなっている白樺の木。日中は池も平面的にしか見えないのにライトによって影ができて、それがなんとも言えないくらい幻想的だった。
ライトは時間ごとに色を変化させて、最初は深い緑色、次は妖艶な紫。でも一番歓声が上がったのは、白いライトのとき。
普段でも白さは見慣れてるはずなのに、まるで異世界に来たような感覚になって、このまま吸い込まれてもいいってぐらいの美しさだった。
ライトアップを見終えたあとは、まるでひとつの映画を見たような気分で、観光客たちも満足そうな顔をして帰っていく。
「綺麗だったね」
きっと俚斗は初めてじゃないけれど、私が見た初めては俚斗で良かったと思っている。
ライトアップの余韻に浸りながらも、あまりのんびりもしていられなくて、私たちは自然とはや歩きになる。
「バスの時間、ギリギリだね」
俚斗はもっと早く歩けるはずだけど、私の歩幅に合わせてくれていた。
道北バスの最終時間は早い。急いでバス停に向かう中、昼間に俚斗と作った雪だるまが視界に入った。
寒空の下でやっぱりふたつは寄り添っていて、その触れ合ってる部分が羨ましい。