降りやまない雪は、君の心に似てる。


あの頃は背丈もさほど変わらなかったのに、今は見上げなければ俚斗の顔が見えない。

身長も骨格も声も記憶の中にいた幼い面影を消して、私の瞳に映るのは17歳の俚斗の姿。


「はは、ありがとう」と俚斗は照れたようにはにかんだあと「小枝も変わったよね」と、私のことをじっと見る。


「……どこが?」

「髪が伸びた」

即答で返してきたわりには、薄っぺらい言葉。


「……まあ、伸ばしたからね」

「あと大きくなった」

「7年も経てば、ね」

俚斗は「うーん」と私の変わったところを指折りに数え始めたけれど全然進まない。

べつに思いつかないのなら絞り出す必要はないのに。そんなことを思いながら浅いため息をつくと……。


「でも一番は、可愛くなった。なにもかも、可愛い女の子になったよ」

俚斗は繰り返すようにそう言った。

ドキッとしすぎて、後ろに倒れそうになってしまった。私は平然を装いながら無意味に前髪を触ってみる。


「そ、そういうことをストレートに言わないでくれないかな」

見た目は草食系なのに、突然私のキャパオーバーを越えたことを言うから本当に困る。


「え、本当のことだから言ってもいいでしょ」

でも、笑った顔はあの頃と重なるところがあってホッとする。

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