降りやまない雪は、君の心に似てる。


自分でかけたくせに、喉が詰まってなかなか言葉が出てこない。スマホを持つ手が震えていて、わずかな沈黙が永遠のような時間に感じられた。

すると確認するようにまたスピーカーから声が届く。


『小枝、でしょ?』

「……うん、そう」

私は消えそうな声で返事をするのが精いっぱいだった。


お母さんとどんな風に接して、どんな風に喋っていたのか思い出せないほど、私たちの間には空白の時間がある。


『……冬休み、あと少しで終わりね』

その口調はとてもゆっくりで、色々と手探りをしながら、なんとか会話を繋げようとしているみたいに聞こえた。


「うん」

『そっちは寒い?』

「うん」

うん、しか返事ができなくて、その会話はすぐに途切れてしまった。お互いの息づかいが聞こえるほどの沈黙が続いて、次に口を開いたのは私のほう。


「……お母さんは元気なの?」

ふいに出た言葉に自分でも驚いた。

お母さんのことが嫌で私は逃げるように北海道に来たのに、元気かどうかを気にする心がまだあったんだなって。
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