降りやまない雪は、君の心に似てる。
綿雪と紡ぐ未来
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次の日、私は底冷えするような寒さで目を覚ました。
家の中にいるのに、吐く息が白い。まるで冷凍庫に放り込まれたような温度で、二度寝する気も失せてしまった。
暫くして、窓の外からザクザクッと不規則なスコップの音がして私はカーテンを開ける。
昨晩の内にどうやら沢山の雪が降ったらしい。
そういえば、除雪車の音がうるさかった。その上、厚手のダウンを着て玄関を開けようとしても開かない。
鍵はかかっていないのに、なんで……。
すると、外からおばあちゃんの声が聞こえた。
「小枝、ここは開かないから勝手口から外に出てちょうだい」
言われるがまま外に出ると、すぐに玄関が開かなかった理由が分かった。
「なにこれ」
まるで雪山にワープしたように、私より高い雪があちらこちらに積まれている。
しかも玄関が塞がらないように階段があるというのに、それを越えて雪が積もってるから驚いた。