降りやまない雪は、君の心に似てる。



私はおばあちゃんの言葉にホッとしつつ、うどんの続きを食べ始める。


「出掛ける予定なら、雪かきはもう手伝わなくてもいいわよ」

「ううん。手伝ってから行くよ」

「でも、まだまだ時間がかかりそうだし……。あ、それなら買い物だけお願いできる?」

おばあちゃんは思い出したように言った。


うどんを食べ終えると、私は駅の近くにあるスーパーへ向かった。頼まれたものは、人参、玉ねぎ、じゃがいもにリンゴ。どうやら今日の晩ごはんはカレーらしい。

歩道は、除雪車のおかげで歩きやすくなっていた。

それでも、必死で家の前の雪かきをしてる人たちを見ると、雪国の大変さをしみじみ感じる。


買い物は、すぐに終わった。『好きなものを買ってきてもいいよ』と言われたけれど思い付かなくて、レジの横にあったミント味のガムだけを買った。

……昔は好きなものを買っていいと言われたら飛び跳ねるほど喜んだのになあ。
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