降りやまない雪は、君の心に似てる。
そして、朝日がまた昇って夜が明けた。
昨日は一年分ぐらいの雪が降ったくせに、今日も空からは新しい雪が舞っていて、雪かきをした場所へと積もっていく。
積雪はついに80センチを越えていて、『今年の雪はなんだか異常だわ』と、文句ひとつ言わないおばあちゃんが愚痴をこぼすぐらい、例年にはない異常気象らしい。
「あら、今日の小枝は早いわね」
玄関のドアが開いて、おばあちゃんと目が合った。
私はちょうどスコップを片そうとしていたところで、玄関周りや庭先の雪はすでにリアカーの上に積んである。
「すごい。これひとりでやってくれたの?」
「うん。あとはこの雪をなげに行ったら終わり」
「じゃあ、それは私がやっておくわ」
今日は初めておばあちゃんより先に起きた。雪かきの手際の良さは負けるけど、足でまといにはならない程度にはなってきたと思う。
作業をさっさと終わらせた私は、早々に出掛ける準備をはじめた。
……早く俚斗の顔を見て安心したい。
私は美瑛駅に着いて、停留所で足を止める。時刻表を確認すると、次のバスがくるまであと15分だった。
なかなか来ないくせにバス停にはベンチがないから、自然と寒さで足を上下に動かしてしまう。手の中にあるカイロを擦りながら、早く早くとバスを待っていると……。
「お、また偶然」とあの男に声をかけられた。