降りやまない雪は、君の心に似てる。


今日から5日間、また私はここで過ごす。滞在期間は短いけれど、久しぶりに過ごす家族三人の時間。

お母さんはすぐにおじいちゃんの仏壇へと挨拶をして、おばあちゃんはさっそく晩ごはんの買い出しへと出掛けようとしていた。


「小枝、今日なにがいい?お野菜がたくさんあるから、ジンギスカンにでもする?」

「ジンギスカン食べたい!」

東京じゃ食べる機会がないし、できるなら北海道らしいものを味わいたいと思っていたところだ。


「ふふ、じゃあ買い物に――」

「お母さん、私も一緒に行っていい?」

買い出しに出掛けようとするおばあちゃんを、お母さんがひき止めた。


「尚子……」

おばあちゃんは驚いた顔をしていたけれど、すぐに嬉しさで唇を震わせていた。


「久しぶりに家の周りも歩いてみたいし」

「そうね。じゃあ、一緒に行こうか」


そう言って、ふたりは仲良く出掛けていった。

おばあちゃん、少し泣きそうな顔をしてた。きっと一緒に買い物をするのも久しぶりだからだろう。
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