降りやまない雪は、君の心に似てる。
大丈夫かな、と不安な気持ちもあったけれど、心配する必要はなかったみたいだ。
GWに北海道へ行くことが決まって、私はお母さんに聞いてみたのだ。近所の人たちに会うのは平気かどうかを。
お母さんや私がいくら変わっても、変わらないものはある。
私が冬休みに来た時も近所の人はお母さんのことを噂していたし、これでまたお母さんの心が閉じてしまわないか心配だった。
『平気よ。どんなに噂されても、どんなに過去のことを言われても、私には小枝もお母さんもいるし、全然気にならない』
お母さんはそう答えた。
あの不安定で弱かったお母さんは随分と強くなった。
そんなことを思っていると、リビングにゴーンと古時計の音が鳴り響いた。針はちょうど12時を指していて、私も出掛けることにした。
美瑛駅に向かって、停留所でバスを待つ。
久しぶりに乗る道北バスの席は、もちろん一番後ろ。プシューッとドアが閉まったあとバスは静かに動き出した。