降りやまない雪は、君の心に似てる。
「……尚子にはあんな形で家を追い出しちゃったから荷物は全部処分したって言ったんだけど、なかなか捨てられなくて」
「………」
「ごめんね。小枝には迷惑かけたね」
おばあちゃんが泣きそうに言うから私は全力で首を横に振る。
そういうつもりでお母さんの名前を出したわけじゃなかったのにやっぱり空気は重たくなってしまって反省した。
「……あのとき小枝は私が引き取れば良かったんじゃないかって思ってたの」
おばあちゃんの言葉にドクンと心臓が跳ねる。
「でも尚子から小枝まで奪うことはあまりに酷だって思って。大人の身勝手でごめんなさい」
「……おばあちゃんのせいじゃないよ」
そう、あの当時一番正しくて一番信頼できたのはおばあちゃんしかいなかった。
おばあちゃんは私を守ってくれようとしていた。だから私はこうしてまた甘えにきてしまった。