降りやまない雪は、君の心に似てる。


それからお昼はおばあちゃんが作ってくれた炊き込みご飯を食べて、私も手伝うと台所に立ったけど結局野菜を洗っただけ。

そのあとは美瑛町の役場に用事があるとおばあちゃんは出掛けてしまって今は家でひとりきり。

静かなリビングでは大きな古時計の振り子が右から左へと元気よく揺れていて、12時になるとゴーンという鐘の音が流れてくる。

……この時計も懐かしい。


こたつで猫のように丸くなっても時間は早く進まない。私はここになにしに来たんだろう。

考える時間があればあるほど心が窮屈になっていって、私は堪らずに出掛けることにした。


110デニールの黒いタイツを履いて、またキャラメル色のダッフルコートを羽織る。

今日の美瑛の天気は晴れのち曇り。今は昨日に比べたら太陽も顔を出しているけど、きっとそのうち雪が降る。分からないけど、そんな気がする。


私が向かったのは美瑛駅。

――『俺青い池にはほとんど毎日いるから。暇だったらまた遊びにきてよ』

べつにアイツに言われたからじゃない。昨日はほとんど青い池を見られなかったしリベンジに行くだけだ。
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