降りやまない雪は、君の心に似てる。


「石って……っ!」

急に俚斗がどっと吹き出した。

なにがおかしかったんだろうか。まさか笑われると思ってなかったからこれはかなり想定外だ。


「ちょっと笑いすぎじゃない?」

ギロリと睨む。


「あーごめんごめん。でもおかしくて」

俚斗が涙目になりながらも、まだ「くくっ」とお腹を抱えているから私はさらに不機嫌だ。そんな仏頂面の私を見て俚斗がわざとご機嫌取りのように顔を覗きこんできた。


「ごめんね。怒らないで」

そんな可愛い顔をして許しを乞うなんて反則だと思う。


「怒ってないし」

ふいっとそっぽを向いて言葉とは真逆に口を尖らせる。すると俚斗はクスリと笑ってまた私と肩を並べて立った。そして……。


「そっかあ。小枝と俺は同じか。良かった」

それは話せて良かったって意味なのか、それともドライアイスという共通点が同じだから良かったからなのか、その真意は分からなかった。


「でもひとつだけお願い」

「……?」

俚斗がまた私をじっと見る。


「これから先なにがあっても絶対に俺に触ったらダメだよ」

柔らかい口調の中に厳しさもあって、それは私を突き放すような瞳だった。


たぶん、普段どおりに接していれば難しいことじゃないと思う。ベタベタと身体に触る人は嫌いだし、私も自分からそういうことはしないタイプだから大丈夫。


だけど、もし触らなきゃいけない状況ができたら?

そしたらまた俚斗は同じ瞳で私を突き放すだろうか。

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