降りやまない雪は、君の心に似てる。


「とりあえずお腹すかない?明太子食べれる?」

私は暗い顔をしている俚斗におにぎりを見せた。

「え?俺のぶんも?」

「うん。昨日のお礼と五百円も」

俚斗の反応なんて待たずに私はおにぎりのラップを剥がす。なんとなくそうしたほうが温かいままで早く俚斗が食べられる気がして。


「ありがとう……」

「うん」

そして私も買ってきたチーズおかかのおにぎりを食べて、周りの目が転んだ時よりも見られている気がするけど、気にしない。


「これセイコマのでしょ?」

セイコマとはセイコーマートの略。北海道には馴染みのあるコンビニで、味の質はたぶん他のコンビニには負けないと思う。


「ここのおにぎり大きくて旨いよね」

俚斗はそう言うと普段なよなよとしてるくせに、おにぎりを三口で完食してしまって、男の子だなあって実感する。


「小枝は小動物みたいに小さく食べるんだね」

「……うるさい」

私はわざと俚斗に背中を向けて食べた。

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