降りやまない雪は、君の心に似てる。
目が覚めると枕が涙で濡れていた。
胸から喉から、なんともいえない苦しさが込み上げてきて、頭がズキズキと痛い。
スマホを確認するとその時間に驚いた。
もう時計は11時30分で、どうやら昨日の夜にアラームを設定し忘れていたらしい。……それにしたって寝すぎたことに変わりはないけど。
「おばあちゃん、雪かき手伝えなくてごめんね」
リビングに行くとおばあちゃんがエプロンをしながら台所に立っていた。
いつもなら雪かきのスコップの音で起きるのに今日はそれすらも気づかないほど眠ってしまっていた。
「ううん。大丈夫よ。今日は玄関の前の雪をかいただけだったしね。それよりなにか食べる?お腹すいたでしょ?」
「うーん」
はっきりしない返事。
寝起きだからか食欲があまりない。それどころか頭がさらに痛くて視界がぼんやりとしている。
「もしかして小枝……」とおばあちゃんが近づいてきて、その手は私のおでこへと伸びてきた。
「……やっぱり!小枝、熱があるじゃないの!」
「……熱?」
「どうりで真っ赤な顔してると思ったのよ。風邪かしら?今年の疲れが出たのかもね」