降りやまない雪は、君の心に似てる。
私はとりあえずおばあちゃんが作ってくれたお粥を温め直して、食べられるだけ口に入れた。そして風邪薬を飲んで時計を見ると針は14時15分になろうとしていた。
窓の外では、はらはらと粉雪が舞っていて今日は大晦日だし、俚斗は青い池には来ていないかもしれない。
そもそも私だって毎日行くと約束していたわけじゃないし、昨日は別れる時はお互いに『また明日』と言わなかった。
だから強制ではないし、行っても行かなくてもそれは本人の自由。
……でも俚斗が私のことを待ってたら?
今日で今年は終わりだっていうのに、ずっと待ってたらどうしよう。
そう考えたらいても立ってもいられなくなって、私はおばあちゃんが心配しないように〝すぐに帰るから〟と置き手紙をして気づけば家を飛び出していた。
いつもより厚着をしているせいか寒さを感じない。むしろ熱で火照った身体には丁度いい温度だった。
雪を踏みしめるように歩いていると、前から小学生ぐらいの可愛らしい姉弟が手を繋いで歩いてきた。
「今日は絶対遅くまで起きて除夜の鐘を聞こうね」なんて話をしていて、ふたりともおそろいの手ぶくろをしている。
その微笑ましい光景に胸がギュッとした。