降りやまない雪は、君の心に似てる。


「やっぱりそうだ!また会うとか奇遇じゃん」

それは最も会いたくない人物だった。

なんでまた寺本に会わなきゃいけないんだろう。顔を見ただけでこの前の出来事を思い出して胸がムカムカとしてくる。


「どこ行くの?大晦日なのにひとり?」

「………」

あー本当に早く立ち去ってくれないかな。私は露骨に嫌な顔をして寺本をシカトし続けていた。


「もしかしてアイツに会いにいくの?」

〝アイツ〟という言葉に私はピクリと反応する。


「きみ可愛いのにさ、なんで吉沢なんかと仲良くしてるわけ?見た目がタイプとか?アイツ外見だけは女が好きそうな顔してるもんなー」


昨日私が言ったことなんて完全になかったことにしてまた寺本は俚斗のことを悪く言う。

口を縫いつけてやりたい気分。でも俚斗に危ないことはしないでと言われているし、ここは我慢しないと……。

私が反論しないせいで調子に乗った寺本はさらに話を続けた。


「まさかマジで吉沢の彼女じゃねーよな?」

「だったら、なんなの?」

私は寺本を睨みつけた。
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