あたしはモデル。【完】
「おーい。
何時くらいに着きそう?
監督が、桜はまだかーって。
相当気に入られたな、お前。」
電話からはガヤガヤと雑音も聞こえた。
ああ、どうしよう。
「ヒロト…
なんでもいいから服持ってない?
この際なんでもいいの…」
私は事情を説明した。
「……てか、今ショッピングモールにいるなら買えばいいんじゃね?顔だけ隠して。大丈夫、眼鏡してたらお前別人だから。」
「……あ。」
そうじゃん!
なんで、こんな簡単なこと思い付かなかったの!!
私は急いでコンタクトから眼鏡に戻し、トイレを飛び出す。
なんでも良いから、服!!