あたしはモデル。【完】


でも、メモ見つかって良かった。

拓夢は、涙でしばらくグズグズ言っている私の背中を撫でてくれていた。



その優しさが嬉しかった。


でも別の自分は優しくしないでって、泣き叫ぶ。


今の私は、山本桜だ。


あなたの好きな、峰山桜じゃない。



胸が、張り裂けそうだよ。








「なぁ…」

「え?」


拓夢は背中を撫でる手を止めて、話し出す。






「もし、好きな奴が振り向いてくれなかったらさ、お前ならどうする?」



「好きな…ひと…?」



泣き顔の顔は恥ずかしくてあげられないため、拓夢の表情はわからなかったけど声からして真剣だということはわかった。




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