あたしはモデル。【完】
拓夢にすがりついて、狂ったように泣き叫ぶ。
お願いだから…
誰にも言わないで。
始めた理由はどうであれ、モデルの仕事は本当に楽しかったの。
私の生きがいになってた。
また、あの時のように
大切なものを奪われたら
私は、どうなってしまうの?
「お願い……
お願いだ…から……」
周りの風景がぐにゃっと曲がって見える。
「お…願……い…」
一人に……しないで…
意識を失う前に、拓夢の声が、聞こえた気がした。