あたしはモデル。【完】
『さ、くら…
早く…!安全な場所に行け、早く……っ!!』
『お兄…ちゃん…?
何言ってるの!?
大丈夫だよね?
お兄ちゃん!ねぇってば!!』
血が、地面に広がる。
そして血のついた刃物を握りしめた男は、走って逃げていった。
『桜、早く!……っ、俺は大丈夫だから…!早く逃げ、…うっ……』
体が震える。
息が、できない。
『お兄ちゃ…きゅ、救急車!!』
すると、お兄ちゃんは首を振って、力なく笑った。
『…ごめ、さくら…』
『…っ……ねぇってば!!
いや、や……あああああああ…っ!!!』