あたしはモデル。【完】
「さっき、桜のどこが好きなのかって聞いたよな」
「え、あ。うん」
「全部、好きだ」
「……」
「桜が、好きだよ」
私の肩に顔を伏せている拓夢は、きっと真っ赤なんだろう。
拓夢の顔を想像すると、頬が緩むのがわかった。
「別に、フッてくれていい。
けど、俺諦めねぇから」
「…うん」
おさまってきた涙腺がまた緩む。
「絶対、振り向かせてみせるし」
「…っ、もう振り向いちゃったよ。」
「…え?」
勇気を出して、桜。
「拓夢が、好きです。」