あたしはモデル。【完】
「本当に寒いね」
「…凍えそう」
拓夢は、寒いと口数が減る。
けど、私の言葉には必ず返事をしてくれる。
「早くバス乗って、帰ろう」
私達の、住む街に。
「さっきより、寒さマシだな」
「山だったしね」
バスを降りて、大きく伸びをする私達。
「ね、拓夢。」
「ん?」
相変わらず、手は繋いだまま。
「私、本当は16歳だってこと世間に公表しようと思う。」
「……。」
拓夢は、難しい表情を浮かべる。