あたしはモデル。【完】
――ねぇ、
ありがとう拓夢。
私を幸せにしてくれて。
これから、たくさんつらいことがあると思う。
ケンカだってすると思う。
照れ屋だし、ナルシストだって言ったらすごく怒るし、泥だらけの指に指輪をはめるような、ムードのないようなことするし。
でも、そんな拓夢が大好きなんだ。
愛しくて、たまらない。
「…私も。」
初めて、自分から拓夢にキスをした。
拓夢の顔が真っ赤なのは、夕陽のせいだろうか。
それとも、照れてたりする?
「私も、愛してる。」
愛しくて愛しくて
たまらないあなたへ。
私を好きになってくれてありがとう。
愛してくれて、ありがとう。
私は、あなただけを生涯愛しぬく。
「…帰るか。」
指輪が輝く手を繋いで、2人で歩きだす。
「私、今すごく幸せかも。」
「…もっと幸せにしてやるし。」
「ふふっ。ありがと…」
そう言って拓夢を見上げると、優しく微笑んだ拓夢の顔近付いてきて、そっと目を閉じた。
甘く優しいキスをした私達を、優しい風が包み込んでいた。
~あたしはモデル。~
End