あたしはモデル。【完】
そうだ…拓夢は本当の私を知らないじゃない。
年も、学校での私も…
今の私は、何もかもを嘘で固めているのに。
「あの…、私」
だめなんだよ、私は。
「待って。
断られる事はわかってる。
でも俺諦めないから、桜の事。
だから、一応俺の気持ちを知っておいて?」
そう言って困ったように優しく笑う拓夢に、胸が痛んだ。
私、騙してるんだよ。
あなたのこと。
「……っ、」
もう、何がなんだかもうよくわからない。
どうして、拓夢が私なんかを?
頭がこんがらがって、とにかく少しでも早くこの場を離れたかった。