あたしはモデル。【完】
拓夢は私の2つ隣のクラスなので、教室の前を通るのが見える。
「拓夢様っ!お仕事お疲れ様です~!」
きゃぴきゃぴとした女の子達の声が廊下から聞こえる。
クラスの男子は拓夢を羨ましそうに見ながら、雑誌に目をやった。
「なぁ、木原拓夢って桜ちゃんと共演するらしいぞ!」
「えぇ!?マジかよ…いいなぁ…。
なぁ、木原先輩、桜ちゃんサイン貰って来てくんねぇかな!?」
「バカか、お前。拓夢と友達でもねぇのに貰って来てくれるわけねぇだろ!」
そう言って、クラスメイトの男子は雑誌に載っている私の写真を見て、項垂れた。