あたしはモデル。【完】
「空、綺麗だな…」
青く澄んでて、本当に綺麗…
「お前…、だれ」
いきなり声が聞こえ、びっくりして振り返る。
「…っ!
た、拓夢……様…」
危うく“拓夢”と呼んでしまいそうだった。
そう、そこに立っていたのは紛れもなく拓夢本人だった。
扉の前にたたずむ拓夢は、こちらをじっと見ている。
どうしてここに拓夢が…?
今朝のこともあってか、すごく気まずかった。
「…お前、だれ?
なんでここにいんの?」
そう言った拓夢は、恐ろしく無表情だった。