あたしはモデル。【完】
先輩かな…?
あまりに気にせずに学校へと続く細長い坂に着いた。
この、坂をのぼったら学校がある。
ちょうど、その先輩らしき人も同じタイミングで坂に着いたようだった。
ふと、顔を見る。
「……!!」
もしかして、この人!
目を凝らしてよく見ると、やはりそこにいたのは拓夢だった。
眼鏡の度数、ちゃんと合わせとくんだった。
拓夢だってわかってたらタイミングずらしたのに!
私の視線に気付いたらしく、拓夢と目が合ってしまった。
相変わらず、冷たい目…
すぐさま視線をそらした。
私は、この目が苦手だ…。
心臓がバクバクと鳴る
いまだ何故か拓夢から強い視線を感じるんだけど…
もしかして、ばれた…?
冷や汗がたらり、と流れた。
そして拓夢は、ゆっくり口を開く。
「お前、前屋上にいた眼鏡?」