あたしはモデル。【完】
「はぁっ、はぁ…っ」
しばらく走って、顔をあげると私は公園にいた。
学校を飛び出していたことすら今気が付いた私って…。
呼吸を落ち着かせるためにベンチに座る。
「学校、サボっちゃったな…。」
最低だ。
「もうやだ…。」
膝を抱えて、顔を伏せる。
ツラい。苦しいよ。
誰か、助けて…
どうしたらいいか、わからないの。
公園には、小さい子ども達と、その母親らしき人がいた。
楽しそうに、砂場でトンネルを作る子ども達。
サッカーをして遊ぶ子ども達。
ぼんやりそれを見ていると、なぜか心が落ち着いていくのがわかった。
今日は、オフ。
もう仕事はない。
しかし、昨日撮り終えたミネラルウォーターのCMの打ち上げがあるらしい。
正直、行きたくない。
拓夢に会いたくなかった。
さっきの。
もしかしたらバレたのかもしれない。
とっさに逃げたけど、バレたのかどうか、確認しておけばよかった。