あたしはモデル。【完】

溜め息が出る。


「私って、本当にバカ…」


でも、打ち上げに行かないわけにはいかないし。




その時、サッカーボールが私のベンチの近くまで転がってきた。



「あっ!ボール跳んでいっちゃった!」


そう言って慌てた様子で幼稚園児くらいの男の子が駆け寄ってくる。



私はボールを拾い、その男の子に手渡した。


「ありがとうございます!」


丁寧に男の子はお礼を言い、にこっと笑った。



「兄ちゃんっ。蹴るよー!」



そしてボールを蹴って走っていく。



遠くにいる、少しだけ背の高い男の子が、お兄ちゃんだろうか。


仲良く遊んでいる兄弟の姿は、とても微笑ましいものだった。




私は、目を伏せた。


だめだ。

やっぱりまだ、私は…




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