約束の大空 3 ※ 約束の大空1&2の続編。第四幕~(本編全話 完結)



「会津新選組山口二郎を含み、会津藩からの援軍が六道辻にて合流とのことです」




その一報に、私は土方さんも思わずお互いの視線をあわせる。
山口二郎は、斎藤さんの変名だから。


斎藤さんと舞、それに敬里は無事に会津へと負傷兵たちを送り届けて、
こうして新たに駆けつけてくれた。


それだけで、こんな戦だらけの世界でも心があたたかくなる。



だけど状況は思わしくない。
安塚の戦も負けて、味方たちは宇都宮城下へと逃げ戻ってきた。




雨が降り続く中、逃げ戻ってきた味方兵たち。
その翌朝、夜明け頃から新政府軍が壬生方面から押し寄せてきた。


土方さんは、宇都宮城の北側にある神社にて桑名藩の人たちの
大砲を指揮をしていて、私も同行させて貰ってた。



状況報告で、次から次へと各戦況が報告されてくる。


新政府軍の激しすぎる攻撃で、六道口が突破され、城の西側に侵入を許してしまった
旧幕府軍は、土方さんに援軍要請を求めてきた。

その要請を受けて、土方さんも桑名藩の一隊と共に城へと戻る。

そしてそこで土方さんは、南門傍で戦闘している間に、
小銃戦で足を負傷することとなる。




足を怪我してしまった土方さんや斉藤さんたちと私が再会するのは、
その数日後のことである。







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