約束の大空 3 ※ 約束の大空1&2の続編。第四幕~(本編全話 完結)


「俺も行くぜ。
 舞と一緒に。
 女一人で物騒な道歩かせたくないだろう」


「敬里、遊びじゃないんだよ」

「あぁ、知ってるよ。
 遊びじゃないことくらい、もう嫌になるほど理解してる。

 だからこそ、俺はお前と一緒に行きたいんだ。
 好きなやつなんだから、傍で守りたいに決まってんだろ」




敬里の突然の宣言に、私は絶句する。




そうかもしれないと感じる部分は確かにあった。
だけど、それを自覚する自分には蓋を続けてきた。


私の前世と、深く関わりのある敬里だから。
憎まれても、好きになって貰えるはずなんてない私のはずだから。



「斎藤さん、行ってもいいよな。
 舞と一緒に。

 俺がアンタの誇りと、アンタの分まで舞を守ってやるよ」


そう言うと、敬里は「荷造りをしてくる」と告げてまた何処かへと姿を消した。




「加賀……」

「大丈夫。
 斎藤さんの想いはしっかりと守るから。

 斎藤さんは会津で為すべきことを。
 私もちゃんと合流する」

「頼む……」


そう言うと、斉藤さんは文机に向かって筆をとって何かを記し始めた。


「それは?」

「困ったら、ここに記した人を訪ねろ。
 多分、助けになってくれるはずだ……」


そう言ってて手渡されたメモを私は丁寧に折り曲げて、懐へとしまい込んだ。



その数刻後、私と敬里と二人で……西へと動き出す。



斉藤さんの想いと、敬里の想いを受け止めながら、
私自身の罪悪感を今も感じずにはいられなかった。



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