約束の大空 3 ※ 約束の大空1&2の続編。第四幕~(本編全話 完結)
今までも突然の雷鳴の先には時空の歪みが生じて、誰かが行き来している。
山崎さんが向こうに行ったなら、
また知らない誰かが巻き込まれてこの世界に来てるのだろうか?
ねぇ……もう一人の舞ちゃん。
そうだったら、私たちはまた新しい罪を重ねるんだね。
全く知らない人を私たちの願いの成就に巻き込んで……。
何時まで、私たちはこんなことを続けるんだろう。
どれだけ考えても、答えなんて見つからない。
自分を納得させられる答えなんて、
自分自身が受け入れなければ、見つからないってことも知ってる。
「舞、雨が降り出した。
中に入ろう。体が冷えるぞ」
斎藤さんが気にかけてくれたのをきっかけにして、
私はようやく船室へと足を向けることが出来た。
慣れない船旅の先に辿り着いた江戸で、
今度は私はどんな罪を重ねるのだろうか……。
その罪の重さに、押しつぶされそうになりながら、
ただ今を手探りで歩き続けるしか、今の私には出来なかった。