約束の大空 3 ※ 約束の大空1&2の続編。第四幕~(本編全話 完結)
「熱、まだ高そうだね。
向こうの解熱剤でもあれば、多少は早く下がるのかな。
額の手拭い、新しくしてあげるよ」
そう言って、手拭いをとると桶にしたくされた水に浸して、
固く絞るともう一度、その額へと戻す。
「サンキュー。舞。
あと、花桜頼むわ。オレ、今はもう少し眠るよ」
そう言うと、アイツは再び目を閉じて、眠りの中へと誘われていった。
敬里の熱が下がって医学所を出られたのは四日後。
四日後、アイツは私たちが住む長屋ではなく、
近藤さんや土方さんたちがいる場所へと向かい、
時折、斎藤さんと共に長屋を訪ねてくる。
そんな生活が続いた。
私と花桜は長屋の人たちと仲良くなりながら、
今過ごす、僅かな平和が長く続くように祈りながら、
江戸での日々を過ごし続けていた。