約束の大空 3 ※ 約束の大空1&2の続編。第四幕~(本編全話 完結)


近藤さんを見送った土方さんは、
私と斎藤さん、そして舞を部屋に呼んだ。


「斎藤、流山にいる隊士を引き連れて会津へと向かえ」


部屋に集まるやいなや、開口一番に斎藤さんに指令を告げる。

「加賀、お前も斎藤とともに行け。

 俺は江戸に戻り、陸軍総裁に目通りを願う。
 近藤さんのことを頼んでくる」

「それでは、一足先へ。
 準備が整い次第、移動します」

斎藤さんは土方さんにお辞儀をした時、
懐から近藤さんの羽織で仕立てたお守り袋を取り出す。

「斎藤、局長からだ。
 これが……お前だな。

 近藤さんの羽織で託された想いだ。
 そこに各隊士の名前が書いてある。

 それを手掛かりに、手渡してやってくれ」 


そう言って、お守り袋を斎藤さんへと手渡す。

「承知」

短く言葉を告げて、斎藤さんは部屋を後にした。
斎藤さんに続いて、舞も部屋を出ていく。


「さて、山波。
 お前はどうする?

 俺と一緒に来るか?
 それとも斎藤や加賀と一緒に会津へ行くか?」


土方さんはそう言って、まっすぐに私を見た。



「一緒に行きます」

「わかったよ。
 なら、とっとと準備してこい。

 すぐに出る」



こうして、屯所内から近藤さんの姿が消えた流山の地で、
私たちはそれぞれの道を歩き始めた。

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