ひとり、夏色
そんな夏緒、17歳の夏。
事件が、起こりました。
それは8月頭、私の誕生日の
翌日。
その日は、
夜中遅くまでネトゲを
して、そのままオール
していた。
昼前11時。
ちょうど私が眠くなる
頃に、奴は、やってきた。
ピンポーン
玄関チャイムに私が出た。
扉をあけたそこには
私より10センチほど
背の高い、キャップを
かぶった少年、いや青年か。
が立っていた。
大きな荷物を持って。
「ああ、宅急便?」
半分眠っていた私は
印鑑を手に取った。
「違う」
「じゃ、ピザ屋?」
「ピザ屋でもない」
「誰?」
「山野井 千早」
「やまのい ちはや?」
千早と名乗るその男は
低めの声でそう名乗った。
「今日からこの家の居候だ」