あの恋、この恋
「・・・あの、俺の・・彼女」


ドクン 


心臓の音は、悠里の耳にはっきり聞こえた。

こんな不幸なことが――

告白を決意したのに

悠里の頭はまっしろだった。

「えへへ、やっぱり照れるね。私は桜 未乃」

美女は未乃と言った。

「あ、こ、こんにちは」

頭を下げた悠里は、目からこみ上げてくるものを
ぐっとこらえた。
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